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2017年04月11日

北海道新聞4月11日朝刊「朝の食卓」

記録に残る夜 - さとう努
   ◇
 3月の初めに空知管内妹背牛町で温泉のイベントが行われ、その中でパネリストの一人として登壇させていただいた。そのイベントのために東京からわざわざ友人がやってくるというので、ニセコで合流し、イベントの前日から一緒に日本海側の温泉を巡りつつ、妹背牛を目指すことにした。
 日本海側にはなめると海水のようにしょっぱい成分濃度の高い温泉が多い。保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴だ。その日は風が強く寒かったこともあり、湯温が低くなっていた施設もあったが、それでも入浴後に車に戻ると、汗が噴き出るほどに体が温まっていた。
 成分濃度が高いということは、いわば効き目の強い薬みたいなもの。それ自体はありがたいことだが、効き目が強い分、思いのほか体力を奪われがちだ。休憩をはさみんで入るなど、入浴の仕方にも工夫がいる。その日は長湯しないように気をつけながら4軒ほど湯巡りした後、留萌管内羽幌町の温泉宿に泊まった。
 晩は友人と繁華街へ繰り出して飲み屋をはしごした。すっかりいい気分で宿に戻りベッドに横たわると、湯巡りによる心地よい疲労感に包まれ、一気に深い眠りについた。
 一夜明けたイベント当日の朝、スマートフォンを見ると、そこには「甘エビ塩ラーメン」の画像があった。締めにラーメンを食べていたのだった。本番前だというのに、どうやら少し飲みすぎたようで…(温泉ソムリエ・ニセコ)
  

Posted by トム at 23:59Comments(0)朝の食卓

2017年03月04日

北海道新聞3月4日朝刊「朝の食卓」

雪まつりの湯 - さとう努
   ◇
 札幌・大通公園の雪まつりを訪れたのは、たまたま何かのついでに立ち寄ったのを除くと、過去に2回ほどで、いずれもとにかく寒かった印象が強い。会場内にはたくさんの休憩所が設けられ、暖を取ることはできるが、休憩所を出て歩きだしても、あまりの寒さにまた次の休憩所に駆け込む。その繰り返しだったのを覚えている。
 今年の雪まつりで、缶コーヒーの会社が会場内に休憩所を設営し、そこで足湯と手湯が楽しめると新聞に載っていた。1回100円。足湯か手湯が選べ、缶コーヒーと、雪まつり限定のハンドタオルがもらえるとのこと。おもしろい。限定ハンドタオルはぜひ手に入れたい。ということで、わざわざ行ってみることに。その日、当別町で温泉施設を営む湯仲間も、同じ目的で会場を訪れていると知り、一緒に足湯を楽しむことになった。
 待つこと30分ほどでわれわれの番に。お湯はまさかのコーヒーではなく、洞爺湖温泉からの運び湯で、足をつけて5分としないうちに体がぽかぽかしてきた。15分の制限時間を迎えた頃には額もうっすら汗ばむほど。いつの間にか行列もできている。盛況だ。
 これ、例えば道内各地から温泉のお湯を持ち寄り、会場内それぞれの休憩所で楽しめたらどうだろうか。観光客は冷えた身体をあたためられ、温泉地のPRにもなる。ついでにスタンプラリーでもあれば、われわれみたく景品目当てで行っちゃう人もいそうだし。期間限定「雪まつり温泉郷」…あったらいいなぁと。
(温泉ソムリエ・ニセコ)  

Posted by トム at 23:59Comments(0)朝の食卓

2017年01月25日

北海道新聞1月25日朝刊「朝の食卓」



すべすべ - さとう努
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 昨秋、岐阜県奥飛騨の温泉を訪ねた。妻の実家が飛騨高山にある関係で、20年くらい前に一度だけ行ったことがある。名古屋でレンタカーを借り、湯めぐりしながら平湯温泉に1泊。翌日は奥飛騨から新穂高の温泉をめぐり、再び平湯温泉から高山に抜け、名古屋に戻ってくるという計画を立てた。
 名古屋から高山に向かう途中、日本三名泉の一つである下呂温泉にも久しぶりに立ち寄った。何湯かめぐったあと、温泉街を見下ろす高台にある老舗旅館に立ち寄った。入浴はもちろんだが、国の登録有形文化財にも指定されている1931年(昭和6年)創業の木造3階建ての立派な建物を、一度見てみたいと思っていたのだ。
 温泉街から細く曲がりくねった道を登り、駐車場に車を止めて玄関まで歩くと、係の方が恐縮そうに「日帰り入浴の受け付けは13時30分まででして…」 と話しかけてきた。時計を見ると13時40分。この旅館の日帰り入浴は13時から14時までのわずか1時間だけと、ハードルが高いのは知っていたが、受付終了時間までは調べていなかった。うかつだった。
 諦めて帰ろうとすると、係の方から「でも14時までにお上がりいただければ…」と。20分あれば私には十分。お言葉に甘えてお湯を頂戴した。フロントの方は日帰り利用の私にも、宿泊客と変わりなく笑顔で案内してくださった。「美人の湯」の誉れ高き下呂の湯で肌はすべすべに。宿の方のさりげない対応に、心もすべすべになった気がした。(温泉ソムリエ・ニセコ)  

Posted by トム at 07:00Comments(0)朝の食卓

2016年12月02日

北海道新聞12月2日朝刊「朝の食卓」

完全燃焼の濁川 - さとう努
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 本業が落ち着く時期に合わせるかのように、温泉関係でさまざまな依頼をいただくようになり、ありがたく思う今日このごろ。最近では渡島管内森町からの依頼で開催した、濁川温泉での温泉ソムリエ認定セミナーが強く印象に残っている。6月に個人で認定セミナーが開催できる温泉ソムリエの「師範」に認定され、その直後に依頼をいただいていたものだ。
 濁川は私も過去に何度か湯めぐりで訪れている場所。アブラ臭が特徴の好きな温泉地の一つ。その濁川の魅力をもっと伝えたいということで、主催者側もセミナーの告知を強力に推し進めてくださった。そして11月12日、「師範」として初めてのセミナーに臨んだ。
 当日は森町や函館からの参加が多い中、遠く青森から受講しに来た方もいた。4時間に及ぶセミナーは、受講者の方々の反応がよく、緊張というよりは、むしろこちらが楽しませてもらった感すらあった。この日、20人の新しい温泉ソムリエが誕生した。素晴らしい経験をさせてくださった森町の方々やスタッフには、感謝しきりである。
 セミナーの翌日は、町で用意してくれた車で濁川観光。高台からの濁川の眺めや地熱発電所に感動し、ランチはご当地グルメの「森らいす」をいただいた。惜しむらくはこの日、湯めぐりができなかったことか。初のセミナーで燃え尽き、達成感からか、晩の懇親会はいつもより酔いがまわったこともあり、しばらく休憩室で横になっていたのは、ここだけの話…。(温泉ソムリエ・ニセコ)  

Posted by トム at 07:00Comments(0)朝の食卓