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2017年04月11日

北海道新聞4月11日朝刊「朝の食卓」

記録に残る夜 - さとう努
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 3月の初めに空知管内妹背牛町で温泉のイベントが行われ、その中でパネリストの一人として登壇させていただいた。そのイベントのために東京からわざわざ友人がやってくるというので、ニセコで合流し、イベントの前日から一緒に日本海側の温泉を巡りつつ、妹背牛を目指すことにした。
 日本海側にはなめると海水のようにしょっぱい成分濃度の高い温泉が多い。保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴だ。その日は風が強く寒かったこともあり、湯温が低くなっていた施設もあったが、それでも入浴後に車に戻ると、汗が噴き出るほどに体が温まっていた。
 成分濃度が高いということは、いわば効き目の強い薬みたいなもの。それ自体はありがたいことだが、効き目が強い分、思いのほか体力を奪われがちだ。休憩をはさみんで入るなど、入浴の仕方にも工夫がいる。その日は長湯しないように気をつけながら4軒ほど湯巡りした後、留萌管内羽幌町の温泉宿に泊まった。
 晩は友人と繁華街へ繰り出して飲み屋をはしごした。すっかりいい気分で宿に戻りベッドに横たわると、湯巡りによる心地よい疲労感に包まれ、一気に深い眠りについた。
 一夜明けたイベント当日の朝、スマートフォンを見ると、そこには「甘エビ塩ラーメン」の画像があった。締めにラーメンを食べていたのだった。本番前だというのに、どうやら少し飲みすぎたようで…(温泉ソムリエ・ニセコ)
  

Posted by トム at 23:59Comments(0)掲載・出演等朝の食卓